元予科練生の体験を聞く会

8月 22nd, 2010

みなさんこんにちは(^-^)

今日も残暑厳しい予科練平和記念館です。


本日は「元予科練生の体験を聞く会」がありました。

元乙種第20期予科練生の仲川武男さん(稲敷市在住)をお迎えして

予科練時代の体験や思い出に残っていることなどのお話をうかがいました。


仲川さんは1929(昭和4)年生まれの81歳。

14歳のときに予科練に合格しました。

その時の身長は147㎝ぐらいで、同期生の中でも小さいほうだったそうです。

お尻を叩かれ、頬をなぐられながら厳しい訓練の一日を終えると、夜ハンモックの中で

故郷を思い出し涙する予科練生もいたんだそうです。

実際私も泣きました、と仲川さん。


手旗や、バッターという野球のバットぐらいの固い木の棒、竹やりなどを

お持ちになり、実演も交えてお話をしてくださる姿を見ていると、

まるで実際の予科練生活を目にしているかのように感じられました。


これは、手旗で「ヨ・カ・レ・ン・ヘ・イ・ワ・キ・ネ・ン・カ・ン」を表現しているところです。



1944(昭和19)年にはいると、仲川さんは岡山県にあった倉敷海軍航空隊で

特別陸戦隊の訓練を受けるようになります。

”予科練”は、本来ならば飛行機に乗るための基礎訓練の時間であるはずですが、

もうそんなことが言っていられなくなった日本の厳しい状況がわかります。

ここでは竹やりで攻撃する訓練や、地面に穴を掘ってひそみ、棒地雷で

攻撃する訓練などをしていたそうで、実際に竹やりを使って実演もしてくださいました。


特攻隊の募集を受けたときの話や、広島の原爆を目撃した時の話・・・

短い時間の中でもいろんなお話をわかりやすく聞かせてくださり、

最後には暑い夏にぴったりな予科練にまつわるちょっとこわーいエピソードまで

披露してくださった仲川さん。

信じるか信じないかは皆さん次第ですよ!と、まるで都市伝説を語っているかの

ような名調子でした。


元校長先生だけあって、お話がとっても上手で、気が付くとあっという間に

時間が経っていました。

午前の会には150名、午後の会には110名がご参加くださり、立ち見になってしまった

方もたくさんいらっしゃいました。



終わった後も質問攻めだった仲川さん。昔の先輩や教え子の方もお見えになったようで、

握手を交わして旧交をあたためあう一場面もありました。

それが終わった後すぐに、取材に来ていたNHK水戸放送局の

インタビューに答えていらっしゃいました。


とってもハードな一日でお疲れだったと思いますが、仲川さんは始終にこやかに、

また私でできることがあれば何でもやりますから!!と言ってくださいました。

本当にありがとうございました。


当館ではこれからも、こうした予科練生の貴重な生の声を聞いていただける機会を

作っていきたいと思いますので、今回聞き逃してしまわれた皆さんも、もう一度

聞きたいという皆さんも、ぜひご参加をお待ちしております。


8月7日(土)・22日(日)の2日にわたって行ないました「元予科練生の体験を聞く会」。

激動の昭和を生きたかつての少年たちのお話は、ご来場くださった皆さんの心の中に

いつまでも残る夏の思い出になったのではないでしょうか。