元予科練生の体験を聞く会

8月 7th, 2010

みなさんこんにちは( ^ ^ )/

暦の上では「立秋」の今日も、暑い暑い予科練平和記念館です。


さて、先日開館より5万人目のお客様をお迎えいたしまして、

館長より感謝のご挨拶です。


「開館来、6ヶ月が過ぎました。

お陰様を持ちまして、50,000人の入館者を迎えることができました。

予科練出身及びその遺族はもとより、県内外の各種団体のご来館が数多く、

好評を得ております。

最近になりまして、小・中・高等学校の生徒さんが授業の一環として

来館される様になりました。

同世代の予科練生を自分と重ね、何を感じているのでしょうか。

暑い8月がやってまいりました。65年前の少年達(予科練生)を見て下さい。

忘れがちなものを思い起こし、忘れることのなきよう次世代に語り継いでいきたいものです。」



今日は、戦後65年目の夏の企画として、「元予科練生の体験を聞く会」を行ないました。

午前11時からと午後2時からの2回、元予科練生の

戸張礼記さんを囲んで、予科練時代の体験談などをうかがいます。


戸張さんはこのブログでも度々登場されていますが、当館の資料調査委員として

勤務されるかたわら、ボランティアでご来館のお客様にお話をしてくださっています。



熱心に語りかける戸張さん。

あこがれの予科練に16歳で入隊した戸張さんですが、待っていたのは

「こんなとこに入らなきゃよかった・・・」と後悔するぐらい厳しい訓練の毎日。

「バッター」と呼ばれる太い棒でおしりを叩かれ叩かれ、それでも歯を食いしばって

必死で過ごした日々は、今も戸張さんの中にリアルに残っています。


午後の部は立ち見の方もいらっしゃるくらい大盛況で、会が終わった後も

戸張さんへ質問やお話をする方がたくさんいらっしゃいました。



時には笑いも交えながら、体験者でなければ語ることのできない貴重なお話を

たくさん聞かせてくださった戸張さん、本当にありがとうございました。


また、当館でこうした催し物を行なうのは初めてでしたので、いろいろ不手際も

あったと思いますが、午前の部には60名、午後の部には80名と多くの方に

ご参加いただくことができました。ご来場のみなさん、ありがとうございました。



昨日の広島の平和式典には、国連の事務総長や、核保有国の代表の方々も

参列されましたね。

一連のニュースを見ていて、「核」や「戦争」は、過去のものではなくて、

日本のみならず世界中で、複雑な歴史や状況をはらみながら進んでいる、

今、この時のものなのだということを改めて感じました。

そして、戦後65年経っても癒えることのない傷を心や体に負わされた

被爆者の方々、関係される方々の苦しみ、悲しみはいかばかりかと思いました。


この仕事をしていると、たくさんの元予科練生や戦争体験者の方にお会いしますが、

やっぱり、唯一の被爆国として、そしてたくさんの若者を戦争で失った国として、

あの時代の体験を語り継ぎ、伝えていくことが、これからの未来を考える上で

本当に必要だし、待ったなしの課題であると思います。


戸張さんも最後に、「特攻隊として亡くなった先輩たちが「あとは頼んだぞ」と言って

突っ込んでいった。先輩たちが守ってくれたお陰で今の自分がある。

たくさんの若い人たちに体験を語り継いでいきたい」とおっしゃっていました。


今月22日(日)には、別の元予科練生をお迎えして体験を聞く会があります。

違った角度から見た予科練のお話を聞くことができると思いますので、

こちらもぜひご参加をお待ちしています。