1回目の博物館実習が行われました

8月 8th, 2023

皆様こんにちは。学芸員Kです。
最近は夏らしい暑い日が続きますね。
Kはこの暑さにダウン寸前です…。アイスが手放せません(特に氷系のアイスが好きです)。

さて、公式X(Twitter)では、【学芸員のつぶやきTwitter版】が始まりましたが、お読みいただけましたでしょうか。こちらでは、当館学芸員が様々なことをつぶやいています。
興味を持たれた皆様!以下のURLから見ることが出来ますので、ぜひご覧ください。毎週木曜日更新です。

以上、ちょっとした告知でした。

タイトルにも書きましたが、当館では大学生の博物館実習の受入を行いました。
この博物館実習は、大学の学芸員課程の授業の1つとして設定されており、学芸員資格の取得を目指す大学生が実際に博物館等へ実習に行き、博物館の実態や学芸員の業務を学ぶために行われるものです。この実習の期間は5日間で、3名の大学生が参加しました。
この実習では、資料のクリーニングや広報文章の作成など、普段当館の学芸員が行っている業務を体験していただきました。
そして実際に、この実習期間で、実習生にブログの文章を作成してもらいました!
ぜひお読みください!

~ここから実習生が作成したブログです~

皆様こんにちは。予科練平和記念館で博物館実習中の実習生です。
学芸員資格取得を目指して実習に励んでいます。

皆様いかがお過ごしでしょうか?
8月に入りましたが、35度を超える日も多くまだまだ猛暑が続いています。
こまめに水分補給をとるなど、くれぐれも熱中症にはお気をつけください。

 

さて、今回は「予科練平和記念館」と予科練平和記念館のある「阿見」と「予科練」の関りについてお話します。


まずは予科練平和記念館についてです。
予科練平和記念館は平成22年(2010年)2月に開館し、今年で13年目を迎えました。開館以来予科練の事実を後世に継承し、戦争を知る世代と知らない世代の交流の場となることを目的に活動を続けています。予科練や海軍、阿見に関する資料約2万点を収集保管しており、そのうち191点を入隊から特攻までの7つのキーワードに分け展示しています。


続いて「阿見と予科練」についてです。
大正期の霞ヶ浦海軍航空隊の設立後、昭和14年(1939年)に海軍飛行予科練習生、いわゆる「予科練」が横須賀から阿見に移転したことに「阿見と予科練」のはじまりを見ることができます。以後終戦までの間、この地で全国の予科練での教育や訓練の中心的な役割を担ってきました。そもそも予科練とは多くの飛行機搭乗員を多く育てることを目的に海軍が設立した教育機関で、対象は14歳から17歳までの少年たちでした。終戦までの15年間で約24万名が入隊しましたが、戦争末期の「特攻隊」としての出撃を含め約1万9千名が戦死しています。


また阿見をはじめとした周辺の地域にも、予科練はさまざまな影響を及ぼしました。民家を借り休日を過ごす「倶楽部」や「指定食堂」が置かれる等、阿見と予科練の関係は人々の交流にまで発展するものでした。一方、阿見は予科練をはじめとした海軍の施設があることから昭和20年(1945年)6月10日の空襲では米軍の爆撃目標となり、海軍関係者や予科練生だけでなく阿見の人々も数多く犠牲となりました。

 もうすこしで8月15日がやってきます。この夏、涼しい館内で阿見と予科練の視点から戦争や平和について考えてみるのはいかがでしょうか?大変暑い中ではありますが、ご来館をお待ちしております。

また館内20世紀ホールでは「戦地へ届いた手紙 想いよ届け戦場へ」と題した企画展も開催しています。当館に足を運ばれた際には、ぜひ常設展と併せご覧ください。

~ここまで~
以上、実習生の3名が作成したブログでした。
そして、実習生3名それぞれに5日間の実習をふりかえってもらいましたので、ご覧ください。

(Yさん)
皆様こんにちは。博物館実習生です。
今まで私の中では戦争や平和を伝える上で「何を伝えるか」ばかりが先行してしまうものでしたが、予科練平和記念館での博物館実習を通じ、館内の説明や展示の方法、広報やデザイン等様々な観点を含め「どう伝えるか」「どう受け取ってもらうか」を考慮することも重要であり、意識しなくてはいけない事項であるということを痛感しました。
実習期間中はクリーニング作業として実際に戦時中の資料に触れる機会がありました。それぞれ手紙や教科書、寄せ書きと形態は勿論、状態も異なるものでしたが長い年月の中で人々を通じ伝えられてきたという奇跡のような事実とともに、当時を語る「モノ」が置かれている状況の危機も実感するものでした。課題を抱えつつも地域を含めた記録や記憶の保存と継承に取り組む予科練平和記念館の活動に改めて感銘を受けるばかりです。
5日間という期間でしたが、地域に根差し戦争や平和に関わる博物館の実際について、深く学びを得ることができ、大変意義深いものでした。ありがとうございました。

(Hさん)
皆さんこんにちは博物館実習生です。
私は8月1日~5日の間、予科練平和記念館にて博物館実習をさせていただきました。8月ということで連日大変暑い中でしたが、暑さに負けず取組みました。
実習では、学芸員の方による講義や資料クリーニング、ブログ・Twitterの広報記事作成など行いました。印象に残ったものとしては収蔵庫の見学になります。収蔵庫では約2万点のものが保管されており、あまりの多さに驚きました。当館では他の博物館同様、収納スペースが限られており、すでに大部分が収納スペースに占めているといった博物館ならではの問題について、実際に目にすることができ、貴重な体験ができました。
また印象に残ったものとして、館外にはなりますが、当館付近にあるりんりんロードで、地域住民の方がよく利用されていたことが印象に残りました。
実習を通じて、学芸員にとって必要な知識や技術について学ぶことができ、私にとって本当に貴重な体験をさせていただきました。本当にありがとうございました。

(Tさん)
こんにちは、博物館実習生です。
 私は8月1日からの五日間、予科練平和記念館にて博物館実習をさせていただきました。
 実習では学芸員の方による当館についての概要。収蔵庫見学や資料クリーニング、広報活動
についての講義を受けた後、実際に資料のクリーニングやTwitter、ブログの記事を作成しました。
 印象に残ったことは資料のクリーニングにおいてその資料の素材によって変わることや、クリーニング中でもその資料がいつ頃の出来事なのかを注目して作業していることで情報が入り、資料台帳の作成など次の業務にも効率よく行えることを学び、貴重な体験ができました。
実習を通して、たくさんのことを学ぶことができ、貴重な体験をさせていただきました。本当にありがとうございました。

実習生たちはこの5日間、1つでも多くのことを学ぼうと一生懸命に取り組んでいるのが、とても強くKの印象に残りました。

実習生の3名の皆さん、お疲れ様でした。

―追記―
本年度、当館では2回博物館実習が行われます。第2回目の参加者の皆さんにもこのようなブログを作成してもらいますので、その際もぜひご覧ください。