受け継ぐ思い

6月 13th, 2012

 よいお天気が続いていましたが、私にとっては「帳じりを合わせる」ように、梅雨入りとなったようです。

 しかし、鬱陶しいと考えずに、紫陽花(あじさい)が映える季節を迎えた、と考えてみませんか。

 

 さて、本年7月21日から、当予科練平和記念館では特別展「回天」を開催します。

 あるいはご存じの方が多いかもしれませんが、2005年(平成17年)にTBS系列の2時間番組として放映された「僕たちの戦争」の撮影に使用された実物大の回天模型が阿見町に寄贈されています。今回その実物大模型を展示し、特攻兵器「回天」を強く実感していただくことにより、戦争の空しさを考え、平和を希求する心を作り出していただくための展覧会を構成したいと考えています。

 実は回天作戦には、茨城県出身の方、また土浦海軍航空隊出身の方(甲飛13期生)が多く関係しており、戦死者も多数を数えています。

 残念ながら、現在の小・中生にはアメリカと戦争をしていたことさえ知らない人も多くいるようです。

 今回「回天」の特別展を開催するに先立ち、太平洋戦争、予科練、特攻、そして回天に関する特別授業を阿見町内の小・中学生に受けてもらいました。

 皆さんには、今の戦争のない社会は、先の戦争で亡くなった方々が遺してくれたものだということを考えてもらえたようです。

 特別展では児童・生徒の皆さんの感想文をご紹介させていただく予定ですが、ここでもその一例をご紹介いたします。

 

予科練平和記念館に行って考えたことがある。この世界に人間がいる限り争いはなくならないものだと思う。しかし、自分が周りに少し目を配るだけで、周囲はどんどんよい環境になっていくのではないだろうか。さらにその行いが広がっていけば、世界は平和になるものだと思う。だから、私は今の社会を作ってくれた、自分の命を犠牲にしてまで日本を守ってくれた彼らに感謝している。本当にありがとうございます。

 

僕はこれからの人生で戦争を経験することがないのかもしれない。少しのいざこざはあるものの、戦争時に比べたら、現在は限りなく平和と言える。それは、昔、日本のために戦ってくれた多くの人たちがいるからだ。彼らに対して「かわいそう」ではなく「ありがとう」という気持ちをもって生活していきたいと思う。

 

僕の住んでいる阿見町も何度か空襲を受けたそうです。今、僕たちが普通に暮らしている阿見町も攻撃されていたかと思うと、とても驚いたし、また恐ろしいことだと思いました。今、僕たちが平和に暮らせているのも、昔、僕と同じくらいの年齢の人たちが国のために命をかけてくれたおかげだということを忘れずに、感謝して生活していきたいです。そして戦争があったことを忘れないように、僕たちも伝えていきたいと思いました。