イベント報告「JAF共催イベント」

11月 29th, 2013

 つるべ落としに夜を迎える季節となりました。また、朝日が昇る時刻も遅くなっています。冬がやってきました。 

 今秋の紅葉は近年で一番の美しさ、鮮やかさだったのではないでしょうか。昼間はまだ暖かいのに、急激に冷え込む今年の天候の恵みか、予科練平和記念館周囲の桜紅葉しかり、お隣の雄翔園の楓、銀杏しかり、すばらしい景色を見せてくれました。ありがたいことです。 

 そんな満足感もあるせいか、冬を迎える心も穏やかな気がします。大掃除、正月準備と、年末年始に控える一勝負に対しても余裕を持ち、そして「多忙はウェルカム」くらいの感じです。

 

 本年、平成25年に入ると、天災への警戒心が和らいだこともあってか、多くの旅行者が予科練平和記念館にお立ち寄り下さいました。

 予科練平和記念館は、先人が遺してくださった戦争をしないで済むこの平和な社会をどのように後世へ伝えていくべきかを考え、また実践することをメッセージとして発信しています。

 来たる平成26年には、更に一人でも多くのお客様にご来館いただき、日々、メッセージを受け取っていただきたいと願っています。折しも、憲法や治安などの問題からある種の不安を感じざるを得ない時です。戦争を知らない者が社会を作る正念場を早くも迎えているのかもしれません。気を引き締めていきましょう。

 

 予科練平和記念館が発信するメッセージには「難しいことを考えず遊びに来てほしい」という、子どもさんに向けたメッセージもあります。

 阿見町内でも日当たりがよく、霞ヶ浦が間近で、記念館隣には児童公園あり、また雄翔館・雄翔園あり、と記念館周辺は遊びにも適した憩いの場です。

 私たち職員は、まず予科練平和記念館に親しんでいただきたいと希望しています。毎日毎日、子どもに「戦い、死」など重く、難しい課題について考えていただくことはないと思うのです。しかし、息が出来るのは酸素のおかげ、とふとそのありがたみに気付くように、今享受している平和社会がある理由に気付く機会をこれからもずっと持ち続けていただきたいと考えています。

 そして、家族で楽しく遊ぶことは「平和」のための何よりの薬ではないでしょうか。

 予科練平和記念館はそのような趣旨の下、子ども向けのイベントも多く開催しています。

 去る9月14日(土)には、JAFのご協力を得て共催イベントを開きました。

 内容は屋外イベントとして、

・ミニトレイン(県南ミニトレイン同好会の皆様のご協力を得ています。大人気です)

IMG_3197

・シートベルトコンビンサー(時速約5km/hでの衝突実験を通じてシートベルトの重要性を学べます。)

IMG_3195

・水ヨーヨー釣り(JAF職員の方々が汗かきながら作ってくださいました。大人気でした)

 また、屋内イベントとしては、

・子ども安全運転免許証(写真を撮って免許証を発行してもらいました。子どもたちは大喜びでした)

IMG_3212

・バルーンアーティストの飛び入り参加もありました(阿見町職員のボランティアです。子どもたちは大喜びで、記念館職員もこの技術を是非とも身につけなければならないと肝に銘じました)

IMG_3216 

・読み聞かせの会(記念館の職員3名が子ども向けの絵本を朗読しました)

 当日は天気にも恵まれ、イベントは大成功でした。子どもの笑顔、親子の屈託ない明るい笑顔は、きっと明るい明日を生み出す力になると思います。

 予科練平和記念館としては、このような「遊びの場」を提供できることに大きな喜びを覚えます。よい遊びから良い未来を生み出す場所として、予科練平和記念館を皆さんの手で大きくしてください。

イベント報告「音楽鑑賞会」

11月 1st, 2013

 なんだか11月になりました、という感じなのですが、皆様はいかがでしょうか。今年も残すところあと2ヶ月です。やり残しのないよう、しっかりと平成25年をまとめていきたいものです。 

 しかし、時が経ったのも当然のことで、予科練平和記念館で7/27(土)から始まった特別展「空をめざした少年たち-陸軍少年飛行兵と予科練」は去る10/27(日)、無事に3ヶ月の会期を閉じました。

 会期中には2万人を超える大勢のお客様にご来館いただきました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

 今後も展覧会やイベントの充実に取り組んでまいりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 これからご紹介する「音楽鑑賞会」も特別展初日に開催されました。特別展の成功を導くかのように、すばらしい音楽鑑賞会となりました。

 今回は、中村めぐみさんに歌唱をお願いする会でした。

IMG_3114 

 中村さんは、学生の時から西洋音楽を引き続き学んでこられました。最近では介護の現場でもボランティア歌唱を続けてきたそうですが、高齢者を活性化させる手段として音楽がたいへん有効であることを再認識するとともに、軍歌についてご自身の認識を改めたということです。

 つまり、戦争を経験しない世代の中村さんにとって、戦争のあった時代に生まれた軍歌というものを通して、かつて間違いなくあった戦争の時代を想像することができ、必死に時代と向き合った人々の思いが伝わってくる、即ち時代文化を直観する財産として軍歌を見直すようになったそうです。 

 このことは、右翼的な軍歌賛美の態度でないことはもちろん、戦争また戦争の時代の事実を正確に後世へ伝承し、先人が遺してくれた戦争のない社会を後世に引き継ぐという目的に寄与しようする予科練平和記念館の活動主旨にまったく合致するものでした。

 現在、さいたま市にお住まいの中村さんはご両親とともにご来館されました。

IMG_3106

 音楽鑑賞会が始まろうとする夕べには、まるで暑気払いをするかのようにさっと夕立が走り、たいへんフレッシュな空気に満ちていた予科練平和記念館の内外でした。

 演目をご紹介すると「学徒動員」「ああ紅の血は燃ゆる」「若鷲の歌」「明日はおたちか」「同期の桜」「靖国神社の歌」「リンゴの唄」「故郷」の8曲を歌っていただきました。

IMG_3115

 歌う声もさることながら、歌唱の前に一つ一つの曲に対する中村さんの思いが披露され、その真摯な姿勢に参加者皆が共感し、また感動することができたと思います。

 これまで予科練平和記念館では「レコード鑑賞会」として音楽的なイベントを開催してきましたが、レコード鑑賞とはまた異なる、新しい一歩を中村さんのお力を借りて記すことが出来ました。

IMG_3120

 すばらしい音楽鑑賞会を授けてくださった中村めぐみさん、どうもありがとうございました。

 改めて、心より御礼申し上げます。