エモーショナルな一日

2月 27th, 2013

みなさんこんにちは。

学芸員Wです。

今日は静かな雨が降った一日でした。

ここのところずっと乾燥したお天気が続いていましたので、

ほっと一息つける恵みの雨です。

暖かい日、寒い日が何日かずつ、「三寒四温」で交互にやってきて

少しずつ少しずつ、春に近づいているのを感じます。

 

 

先日、水戸市の偕楽園で見た冬至梅です。

早咲きの梅が、寒い中足を運んだ観光客を楽しませていました。

 

 

 

 

さて今日は、2月16日に行った「大人のための朗読会」と「冬の星空ファンタジー☆」の

ようすをお知らせしたいと思います。

 

 

 

「大人のための朗読会 加奈の小さなおはなし会」は、今回で2回目を迎えます。

 

 

元茨城放送アナウンサーで、現在は朗読活動を精力的に行っていらっしゃる

加奈さんが、ときに心ゆさぶり、ときに心に染みる物語を聴かせてくださいました。

今回は、朗読する『ニワトリおばけ』のイラストもあわせて展示しました。

 

 

最初の『ショールの女』(シンシア・オジック作)は、朗読で約30分の物語です。

ホロコーストの犠牲になった母と娘の物語が、悲しみの果ての慟哭のような、

水分を失ってからからに乾き枯れた木のような言葉で語られていきます。

全体的にモノクロームのイメージがある物語ですが、加奈さんの迫真の朗読が

そこに色を付けてゆき、何ともいえない悲しみの絵ができあがっていく、

そんな感じがしました。

 

シリアスなおはなしの後には、ホットティーのサービス。

今回もたくさんの方が聴きにきてくださいましたが、

みなさん温かいお飲み物で一息ついて、ゆるんでいらっしゃいました。

朗読を聴いていると、意外と体に力が入るものなんです。

 

続いては、加奈さんの恩師、西澤實先生の『ニワトリおばけ』『忠さんと制服』。

やさしい言葉で語られるのでとても聞きやすい物語ですが、あとからじわじわと

いろんなことを考えさせられます。

 

最後に、同じ西澤先生の『うまのおんせん』。

コミカルなお話で、約1時間の物語への旅が終了です。

 

終演後、多くのお客様が、お聞きになった物語の感想を一緒にいらした方同士で

語り合っていらっしゃいました。

心が動いたから、たくさんおはなしすることがあるのかもしれませんね。

みなさんの様子で、朗読会を楽しんでいただけたことがよくわかりました。

 

 

 

加奈さんの朗読は、4月13日(土)に予定している「平和のおはなし会」でも

お聞きいただけます。

ヒロシマ・ナガサキで被爆した方の貴重な体験談もあわせてお聞きいただけますので、

こちらにもぜひご来場くださいね。

入場は無料です。

 

 

「~平和のおはなし会~“今を生きる人たち”へ」

4月13日(土)10:00~12:00

予科練平和記念館ラウンジ 入場無料

 

第一部:ヒロシマ・ナガサキでの被爆体験のおはなし

第二部:加奈の小さなおはなし会

       『原爆詩集』 峠三吉著 より 2編

       『ニワトリおばけ』 ・『瀬戸内の鬼』 西澤實著

       『せかいでいちばんつよい国』 デビッド・マッキー著

       『海軍飛行予科練習生 遺書・遺詠・遺稿集』より 遺書、遺詠4編

       ※内容は変更になる場合があります。

 

共催:茨城県生活協同組合連合会ピースアクション実行委員会

お問合せ:茨城県生活協同組合連合会 ℡:029-226-8487

 

 

 

この日は、夜に「冬の星空ファンタジー☆in予科練平和記念館」が控えていたので、

お客様の様子を見ながら、朗読会の会場を星空天文学の会場につくりかえます。

強い風がなかなかおさまらず、館の外ではキャンドルイルミネーションと屋台の場所を

変更してセッティングしていました。

ありがたいことに、時間が経つにつれて少しずつ風もやみはじめ、

館の外にはすてきなイルミネーションが灯りました。

 

 

 

 

キャンドルでつくられたのは月と星。流れ星もありました☆ミ

 

強風で急きょデザイン計画が変更になってしましましたが、それでも

十分見ごたえがあるすてきな宇宙が、記念館の広場にお目見えしました。

奥にある青いピラミッドは、光る石がはいったグラスが重なってできています。

 

 

 

きれいですね。

たくさんの方が携帯やカメラで写真を撮っていらっしゃいました。

寒くて風も強い難しいコンディションの中、工夫を凝らして

すてきなキャンドルイルミネーションをつくってくださった

みと青年会の皆様、ありがとうございました!

 

 

 

館内での天文学講座も、とてもわかりやすくておもしろいと大好評でした。

教えてくださったつくば星の会の久保庭先生は、休憩なしで200名近い

お客様に不思議でスケールの大きい宇宙のおはなしを聞かせてくださいました。

きっとお疲れだったと思いますが、先生のおもしろさは最後まで途切れませんでした。

 

 

 

 

 

 

館の外で、つくば星の会さんの大きな天体望遠鏡で実際に星を眺めました。

空がきれいに晴れていたので、望遠鏡越しに神秘的な星の姿を目にすることが

できたのではないかと思います。

たくさんのお客さまにすばらしい宇宙をご案内してくださった、久保庭先生はじめ

つくば星の会の皆様、ありがとうございました!

 

 

展示解説員Sさん、Tさんと私Wは、「夜の記念館でクイズラリー」を担当。

「かんたん」から「すごくむずかしい」まで、4段階あるクイズの答えをさがして、

真っ暗な記念館をペンライトで探検するクイズラリーです。

 

 

 

写真では何がなんだかわかりませんが、参加してくださったお客さまが

ペンライトで展示を照らして答えを探しているところです。

 

クイズはとっても好評で、「もう一回!」とおかわりするお子さんもたくさんいらっしゃいました。

参加者には、売店で販売している「予科練の街クッキー」を1枚ずつプレゼント。

こちらも喜んでいただけました。

 

 

館内には、この時だけの演出も。

 

 

 

レーザー光線が飛んでいて、まるで宇宙をワープしているような空間です。

光線は次々と形をかえて天井の高い空間を彩ります。

ずっと見ていると、なんだか不思議なところに迷い込んだ気持ちになりました。

小さいお子さんたちが、空を見上げるように光線を見上げていた姿が印象的でした。 

 

 

最後に、久保庭先生が撮ってくださったお写真です。

  

 

 

星と、記念館と、キャンドルイルミネーションが全部一緒に写っています。

準備してきたみんなの記念になるようにという、久保庭先生の優しさ成分が

たくさんはいっています。

星を撮るカメラで写してくださっているので、記念館もまた、広い宇宙の下に

ある場所なんだな、ということがよくわかります。

 

ブログを読んでくださっている皆さんにも、このすてきな雰囲気が伝わるでしょうか?

 

 

ご来場のお客さまから、またやってほしいというお声をたくさんいただき

嬉しい限りです。

予科練平和記念館では、これからもいろいろなイベントを企画していきますので、

ぜひチェックしてくださいね。

 

ご来場くださいました皆さん、寒い中本当にありがとうございました!

 

ご協力くださいましたつくば星の会さん、みと青年会さん、深く深く感謝いたします。

町商工会のみなさん、あみ観光協会のみなさん、前回の「ナイトミュージアム!」の経験を生かして、

てきぱきとお客様をご案内してくれた展示解説員Sさん、Tさん、お疲れ様でした!

 

また一緒に、すてきなイベントができたらいいですね☆ミ