博物館実習中です

8月 28th, 2020

みなさんこんにちは。

学芸員Yです。

毎日暑い中にも秋の気配を感じるころとなりましたね。

いかがお過ごしでしょうか。

朝晩の風の涼しさ。日暮れとともに聞こえてくる虫の声。

日没も早くなってきました。

2020年の夏も過ぎようとしていますね。

 

前回のブログ更新が7月。

まめに更新したいと思いつつも、日々コロナ対策と問い合わせ対応に追われてしまっていました。

時間が驚くほど速く過ぎるので、予科練平和記念館のどこかに時空のゆがみが

あるんじゃないか、と検温用のサーマルカメラで探してしまいそうになります。

たまる一方の仕事と問い合わせ対応のための資料が机の両端に積み重なり、

新たな地層が出現中。

コロナ…どこでも大変ですよね…。

みなさん本当に本当にお疲れ様です。

 

さて、今週火曜日から博物館実習が始まりました。

博物館実習は、学芸員資格取得のために実際の博物館で実習を行うものです。

今年は2名の大学生が実習に来てくれています。

先日は当館の歴史調査委員大橋さんによる講義に続き、元予科練生のお話を聞きました。

 

 

大橋さんは、歴史を伝えるということ、その中で学芸員が果たす役割について

お話をしてくださいました。

また、元予科練生の戸張さんは、予科練とはどのようなところだったのかを

ご自身の体験も交えて伝えてくださいました。

 

 

実際に体験された方のお話は、どんな解説文よりも説得力がありますね。

戦争の歴史を伝える博物館、資料館は、今後どのように語り部事業を行っていくか

悩みどころです。

戸張さんには、ご無理のない範囲でこれからも多くの方に体験を伝えていただけたら

ありがたく思います。

まさに予科練平和記念館の宝物です。

 

 

博物館実習3日目の昨日は、資料のクリーニングとデータ入力を行いました。

クリーニングするのは、阿見村と合併する前の旧朝日村役場の行政文書です。

昭和初期に作成された文書の一部を予科練平和記念館で保管しているのですが、

時間がなくてなかなか細かくクリーニングしてあげることができずにおりました。

こうして学生さんが来てくださるととても助かります。

 

一枚一枚刷毛をかけてほこりを落とし、傷み具合をチェックしていきます。

慎重に慎重に進めてくださっています。

 

 

 

紙がもろくなっているので最初は触れるのに緊張しますが、

クリーニングの数をこなしていくと、どこに気を付けて

どのように扱えばよいかの感覚がだんだんと身についてきます。

 

文書のクリーニング作業は非常に地味で時間もかかるものです。

でも、この手間こそが未来へ資料を伝えていく基礎になります。

 

博物館での展示等で一般の方の目に触れる資料は氷山の一角です。

見えないところにも様々な資料が眠っていて、そうしたすべてをできる限り未来へつなげていくのが

学芸員の大切な業務になってきます。

 

 

クリーニングと同時に、資料の写真データに資料番号を入力する作業も行います。

 

 

 

こちらも手間のかかる作業なのですが、手際よく進めていただいてとても助かりました。

 

 

本日は展示の監視や窓口業務を体験中。

大きな博物館であれば、こうした業務は専任の職員を配置するのですが、

私どもは小さな館なので、学芸員も館のすべての業務にかかわります。

内側の仕事とはまた違った角度から、展示やお客様の導線なども考えることができるのではと

思っております。

 

 

実習最終日の今週土曜日には、ご本人たちがこのブログと館の公式Facebook、Twitterに

登場します。

もしよろしければ、こちらもご覧いただけましたら幸いです。

 

 

まだまだ暑い日が続いています。

水分、塩分、睡眠、栄養をしっかり摂って、みなさんどうぞお元気でお過ごしください。

 

 

8月に想うこと

8月 2nd, 2020

今年の梅雨明けは、太平洋高気圧の勢力が弱いことにより梅雨前線が北上しないため、だいぶ遅れてしまいました。また、九州や東北などでは豪雨による河川氾濫等により多くの方が被災され大変なご苦労をされております。あらためて被災された方にお見舞い申し上げますとともに一日も早く普段の日常を取り戻されますことをお祈りいたします。

さて、8月は予科練平和記念館にとっては特別な月でもあります。1945年8月15日は日本が組織的な戦争を終結した日であり、記念館としましても例年無料開館にてお客さまをお迎えしておりましたが、今年は、新型コロナウイルス感染症予防のため、入館に際し事前予約制をとったことにより無料開館を中止とさせていただきました。

例年、8月の土・日曜日とお盆時期は、多くの来館者でにぎわっており、新型コロナウイルスの感染を予防する観点から、1日の入館者を制限してご観覧いただくことといたしました。遅れて授業が再開した小中学生や高校生もやっと夏休みに入り、記念館といたしましても多くの児童・生徒さんに来館いただき、予科練を中心とした町の戦史の記録を学んでいただきたいとイベント等も予定しておりましたが中止とさせていただきました。このような状況の中で記念館を運営いたしておりますことをご理解いただき、ご来館なさる場合は、事前にご連絡をいただきますようお願いいたします。

8月は子供たちにとっても特別な月でもあります。もちろん家庭学習も大切ですが、それにもまして様々な体験をとおし子供たちの成長を促す時期でもあるように思います。海や山に家族と出かけたり、友達とプールで水遊び、クワガタムシやカブトムシの捕獲など、普段できないことを、おもいっきり体験できる月でもあります。私も小学生の頃は毎朝、上級生に連れられてラジオ体操、午前中は学校から出された宿題を懸命に取り組み、午後から友達と毎日、霞ケ浦や林の中を駆けまわり、顔を真赤にして遊んだものです。

今年の夏休みはどのような生活をしているのでしょうか。新型コロナウイルスの影響により、夏休み期間が短縮され、計画していた家族旅行もこの状況の中では自粛せざるを得ないのではないでしょうか。地区のお祭りや町の一大イベントである「まい・あみ・まつり」も中止になり、子供たちの楽しみがなくなってしまったことは、とても残念に思います。

各地で感染者が増えております。大人たちも子供たちもそれぞれに日々の生活の中で新型コロナウイルスを意識しながら生活しなければなりません。感染予防には細心の注意を払い、少しでも思い出深い夏休みを過ごしていただきたいと想うばかりです。