予科練平和記念館5年間の歩み

10月 29th, 2015

 

平成 8年

 

町の地域振興や地域発展を図る観点から、町の歴史的な戦史の記録を後世に伝承するための資料館を含めた公園整備を進める方向で検討に入る。

平成10年

 

霞ヶ浦湖岸公園構想を策定

霞ヶ浦のもつ自然環境を保全し、町の戦史の記録を後世に伝承するための施設を含めた、魅力ある水辺の環境を創造するため、霞ヶ浦湖岸約40haの公園整備構想を策定

平成11年

 

「予科練歴史遺産保存委員会」設立

平成14年

3月

「阿見と予科練」発刊

平成14年

 

公園整備用地買収着手

平成15年

 

霞ヶ浦平和記念公園(4.2ha)基本計画の策定

平成17年

 

阿見町(仮称)平和記念館の展示・建築基本設計を策定

平成18年

 

記念館の名称を「予科練平和記念館」に決定。

映像記録撮影業務(当時を知る人の証言等についての記録撮影16名)H21までに24組28人から記録

 

8月

第1回予科練特別展開催

平成19年

 

予科練平和記念館実施設計を策定

 

8月

第2回予科練特別展開催

 

11月~

記念館整備を進めるに当り、予科練平和記念館整備管理基金を設置し、広く記念館整備や開館後の事業等に役立てていくための寄附金募集を始める

平成20年

 

予科練平和記念館建築・展示工事(20・21年度事業)

 

8月

第3回予科練特別展開催

平成21年

9月

「予科練ものがたり」発刊

平成22年

2月

「続・阿見と予科練」発刊

 

2月2日

開 館

 

平成22年

2月

第1回所蔵資料展「艦船・飛行機模型、絵画展」(2/2~9/13)

 

 

8月7日

第1回元予科練生の体験を聞く会 戸張礼記氏(甲飛14期)

 

 

8月22日

第2回元予科練生の体験を聞く会 仲川武男氏(乙飛20期)

 

 

9月

第2回所蔵資料展「戦後の予科練」(9/14~H23.2/27)

 

 

10月3日

映画会「決戦の大空へ」 於かすみ公民館

 

 

10月3日

演劇鑑賞会「白雲とどまりて」 県立竹園高等学校演劇部

 

 

10月23日

11月20日

レコード鑑賞会

  〃

 

平成23年

4月

第3回所蔵資料展「予科練生の資料館-銀田コレクション」

(4/26~6/12)

 

 

5月~

定期展示解説始まる 毎週土・日曜日14:00~15:00

 

 

6月

入館者10万人達成

 

 

7月

第1回特別展「土門拳のまなざし-戦中・戦後と“幻”の写真」(7/28~10/30)

 

 

7月16日

第1回おはなしさんぽの会

 

 

7月17日

元予科練生のお話し会 第1回「激闘 予科練」橋原政雄氏 

 

 

7月24日

阿見の歴史講演会 第1回「阿見大空襲の悲劇」赤堀好夫氏

 

 

8月7日

予科練記念館学習会~戦史を巡る~

 

 

10月22日

第1回レコード鑑賞会

 

 

11月

第4回所蔵資料展「重キ務メヲナシオヘテ-除隊記念品」

(11/29~3/25)

 

 

11月3日

元予科練生のお話し会 第2回「私にとって予科練とは」

池田龍雄氏

 

 

11月12日

第2回レコード鑑賞会

 

 

11月20日

阿見の歴史講演会 第2回「連合艦隊司令長官山本五十六元帥が阿見町に残したもの」井元潔氏 

 

平成24年

3月24日

第2回おはなしさんぽの会

 

 

4月

第5回所蔵展「兄を追って」(4/24~7/1)

 

平成24年

4月28日

出張講座「語り継ぐ 知られざる予科練」戸張礼記氏 於土浦青年会議所

 

 

5月12日

大人のための朗読会「加奈の小さなおはなし会」 

朗読:加奈さん

 

 

7月

第2回特別展「回天」(7/21~10/28)

 

 

7月14日

 

戦争体験者講演会 女性が語る戦争その1 「昭和ガールズトーク」話者:熟田鶴江さん

 

 

7月15日

戦争体験者講演会 女性が語る戦争その2 「土空看護婦が語る戦争と空襲」話者:角田しづ子さん

 

 

8月26日

元回天搭乗員講演会第1回「回天の誕生」塩月昭義氏

 

 

9月30日

   〃     第2回「訓練・出撃」塩月昭義氏

 

 

11月

第1回企画展「予科練甲飛14期生~特攻が始まった年の入隊者たち~」(11/20~H25.3/31)

 

 

12月9日

龍ヶ崎市共催事業 戦争体験を語る会「語り伝えよう あの戦争のこと」講師:仲川武男氏 於龍ヶ崎市コミュニケーションセンター

 

平成25年

2月15日

町職員を対象にした講演会「阿見町の歴史(阿見原の巨大飛行船格納庫) 講師:赤堀好夫氏、八木司郎氏

 

2月16日

大人のための朗読会「加奈の小さなおはなし会」 

朗読:加奈さん

 

2月26日

土浦第三高等学校2年生対象の道徳授業「語り継ぐ 知られざる予科練」戸張礼記氏

 

4月

第2回企画展「震洋~写真家 荒井志郎氏(甲飛13期)の心象~」(4/2~7/7)

 

4月13日

平和のおはなし会~“今を生きる”ひとたちへ~

話者:黒川博氏、茂木貞夫氏 朗読:藤田加奈子さん

 

4月21日

元震洋搭乗員講演会 荒井志郎氏(甲飛13期)

 

6月

入館者20万人達成

 

 

6月2日

学習会「史跡探訪」

 

 

6月23日

元震洋搭乗員講演会 角田義久氏(甲飛14期)

 

 

7月

特別展「空を目指した少年たち-陸軍少年飛行兵と予科練」

 

平成25年

 

7月13日

読み聞かせ「おはなしおさんぽの会&昔の遊びをやってみよう!の会」

 

 

7月27日

音楽鑑賞会 演奏者:中村めぐみさん

 

 

8月3日

ものしりおじいちゃんに聞こう!阿見の昔のはなし 予科練平和記念館歴史調査委員4名

 

 

8月10日

元少年飛行兵の講演会「元少年飛行兵 成伯政則氏の体験談を聞く会」

 

 

9月14日

JAF共催イベント 親子、友だち同士で楽しめる遊び

 

 

10月13日

陸軍少年飛行兵映画鑑賞会 「俺はきみのためにこそ死ににいく」「燃ゆる大空」

 

 

10月20日

朗読会「特攻隊員から、あなたへ」 朗読:加奈さん

 

 

11月

平和祈念展示資料館と連携展(11/6~12/15)

 

 

11月2日

女性が語る戦争Vol.3「女性が語る戦争」話者:戸張園子さん

 

 

11月20日

学習会「史跡探訪」

 

 

11月23日

読み聞かせ「おはなしおさんぽの会&昔の遊びをやってみよう!の会」

 

 

12月

テーマ展「海軍兵学校と予科練」(12/17~3/2)

 

 

12月21日

音楽鑑賞会 演奏:霞ヶ浦高校吹奏楽部

 

 

12月22日

歴史調査委員講演会「阿見と海軍飛行予備学生」井元潔氏

 

 

12月23日

「元予科練生講演会」坂口定雄氏(甲飛11期)

 

平成26年

1月26日

寒中祭 親子、友だち同士で楽しめる遊び

 

 

2月2日

「海軍航空隊ものがたり」発刊

 

 

2月22日

歴史調査委員講演会「阿見町の兵役」井元潔氏

 

 

2月23日

戦争体験者講演会 岡野正氏(陸軍少年飛行兵7期)

 

 

3月

第3回企画展「予科練生たちの日常~少年の素顔」(3/4~6/1)

 

3月15日

平和のおはなし会 朗読:林純子さん、加奈さん

紙芝居:茨城大学紙芝居研究会

 

4月16日

小野寺防衛大臣来館

平成26年

5月6日

講演会「通信兵が見た太平洋戦争~堀込昭朗氏の回想~」

元海軍通信兵 堀込昭朗氏

 

5月24日

学習会 史跡探訪「鹿島海軍航空隊など」

 

6月

第4回企画展「写真で見る阿見町と航空隊」(6/3~8/31)

 

6月14日

音楽鑑賞会 演者:音楽事務所クレッシェンド

 

6月28日

講演会「予科練生・飛行練習生時代の強烈な体験」 徳永三好氏(甲飛13期、42期飛行練習生)

 

7月

阿見町民絵画展(7/15~7/21)

 

7月6日

バルーンアート教室

 

7月26日

読み聞かせ「おはなしおさんぽの会&昔の遊びをやってみよう!の会」

 

8月23日

「ものしりおじいちゃんに聞こう!阿見の昔のはなし」 予科練平和記念館歴史調査委員4名

 

9月

第5回企画展「Reyte~予科練生が見たレイテ沖海戦~

(9/2~11/30)

 

9月13日

JAF共催イベント 親子、友だち同士で楽しめる遊び

 

11月23日

元予科練生講演会 内田次雄氏(甲飛14期)

 

11月29日

ラジコン大会

 

12月

第7回テーマ展「人間爆弾~桜花~」(12/2~3/1)

 

12月20日

元予科練生講演会 久津美明氏(甲飛14期)

 

12月25日

音楽鑑賞会 土浦第三高等学校吹奏楽部

平成27年

1月

入館者30万人達成

 

1月17日

ハローミュージアム 茨城県近代美術館学芸員の講話

 

 

1月24日

寒中祭 親子、友だち同士で楽しめる遊び

 

 

2月14日

バルーンアート教室

 

 

2月21日

元予科練生講演会 小林和夫氏(乙飛19期)

 

 

3月

第6回企画展「あかとんぼの飛んだ空 海軍の練習機」(3/3~5/31)

 

平成27年

3月15日

学習会 史跡探訪「五十六ゆかりの地を訪ねる」

 

 

3月29日

「おはなしとむかしあそびの会」

 

 

4月18日

生協朗読会「平和のおはなし会~今を生きる人たちへ」

朗読:加奈さん、被爆体験のおはなし

紙芝居:茨城大学紙芝居研究会

 

 

8月

映画「サクラ花~桜花最後の特攻~」の展示(8/18~11/1)

 

 

8月8日

JAF共催イベント 親子、友だち同士で楽しめる遊び

 

 

8月23日

「おじいちゃんに聞こう!阿見の昔のはなし」予科練平和記念館歴史調査委員4名

 

 

9月

映画「サクラ花~桜花最後の特攻~」撮影セット展示(9/8~11/30)

 

 

10月4日

開館5周年記念式典

 

 

10月~

実物大零戦模型展示

 

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開館5周年記念式典と実物大零戦模型の製作

10月 11th, 2015

今年2月で開館から5年を迎えることができました。皆様には、これまでご支援・ご協力いただきまして御礼申し上げます。

10月4日には、約70名の方をご招待し、開館5周年記念式典を開催いたしました。

 

5年間の歩みを簡単に振り返りますと、まず、来館いただいた人数ですが、累計で10万人に達しましたのは、開館からおよそ1年半後の平成23年6月で、20万人は平成25年6月でした。さらに、30万人に達しましたのは今年の1月でした。9月末で約34万人の皆様に来館いただいております。

 

5年間に開催した企画展などの展示事業ですが、合計で18回になります。また元予科練生や戦争体験者の方々の講演は、これまで24回開催しており、戦争の歴史を現在の人に語り継いでおります。

 

その他、朗読会、レコード鑑賞会・音楽コンサート、子供向けイベントなど多数開催しました。

 

予科練に関する出版物ですが、「阿見と予科練」をはじめとして、「予科練ものがたり」、「続・阿見と予科練」、「海軍航空隊ものがたり」を発行と販売をしており、今回新たに「爺さんの立ち話」を発行しました。

 

その他詳しい事柄につきましては、別掲の「5年間のあゆみ」をご覧ください。

 

こうした数多くの事業などは、元予科練生の方々をはじめとして、たくさんの皆様にご尽力をいただき実施することができました。改めて感謝申し上げます。

 

5周年記念事業として実物大零戦の模型を製作しました。10月6日から、記念館の隣りで展示しています。記念館に来館いただき、ぜひ零戦模型もご覧になってください。

一式陸上攻撃機と映画「サクラ花~桜花最後の特攻~」

8月 28th, 2015

終戦記念日である8月15日は無料開館日でした。たくさんの方に(1,221人)ご来館いただき、本当にありがとうございました。

 

現在、映画「サクラ花~桜花最後の特攻~」(松村克弥監督)で使われた一式陸上攻撃機の一部を展示しています。一式陸上攻撃機の一部は、映画の撮影で使用した後に町に寄贈されました。

この映画はロケの大部分が阿見町で行われましたが、映画スタッフの方々に町民の皆さんがボランティアで炊き出しを行って、撮影を支援しました。町内での撮影は終了しており、今年の秋には公開される予定です。

映画「サクラ花~桜花最後の特攻~」は、特攻の一つである人間爆弾『桜花』に焦点を当てています。『桜花』は機首に爆弾を搭載し人間が操縦する小型の航空機で、母機(一式陸上攻撃機)に搭載して目標である敵艦付近で切り離し、ロケット燃料で飛行して目標に体当たりする特攻兵器でした。太平洋戦争末期の昭和20年3月から6月まで使用されました。

鹿児島県の鹿屋基地から合計10回出撃しましたが、大半は目標に達する前に撃墜されたと言われています。戦死者には、土浦海軍航空隊を巣立った第13期飛行予備学生や予科練出身者が多く含まれていました。

 

 なお、企画展「一式陸攻」を9月8日から開催します。一式陸攻や桜花、「桜花特攻部隊」である「神雷部隊」についての紹介展示を行います。皆様のご来館をお待ちしております。

 

 

予科練記念館では、戦時中に米国へ渡った旧日本兵のものとみられる日の丸の旗を展示しています。日の丸の旗は米国在住の竹田謙一さんから寄贈されました。竹田さんの長女が米国人から持ち主に返還してほしいと頼まれたものです。

日の丸の元の持ち主や親族を捜していますので、情報をお持ちの方は予科練平和記念館までご連絡ください。

 

阿見大空襲

6月 12th, 2015

梅雨に入り、しばらくうっとうしい雨の日が続くようです。

 

6月10日は当館が無料開館の日でした。たくさんの方にご来館いただき、ありがとうございました。

昭和20年6月10日に、阿見町(旧土浦海軍航空隊と周辺地区)が米軍による大規模な空襲を受け多くの軍人・町民・家屋などが被災し、予科練生を含む374名の方が亡くなりました。(「続・阿見と予科練」-阿見町発行による)

予科練平和記念館では、この日を特別な日として、多くの方にご来館いただいて阿見町が被災した大空襲をご理解いただくために無料開館を行いました。

 

昭和30年代から40年代には、島津から掛馬地区にかけた霞ヶ浦湖岸沿いの水田には、爆弾が投下された跡がそのまま残されて池になっていました。私が子供の頃には、この池でよく釣りをしました。被弾した跡だと聞いていましたので、池の大きさから爆発の威力はすごいものだと、子供心に感じていました。

 

来館された方々は、第6室「窮迫」の映像をご覧になって、どのような空襲であったか実感されたことと思います。

 

次回の無料開館日は、終戦記念日である8月15日を予定しております。

 

ご挨拶

1月 9th, 2015

 今年は、終戦から70年を迎えます。

 予科練平和記念館では、戦争体験者が少なくなる今日、予科練生(海軍飛行予科練習生)の遺品や関連資料を収集、展示し、予科練に志願した昭和の若者像を伝える施設として開館5周年を迎えました。

 茨城県阿見町は、大正時代末期に東洋一といわれた航空基地である霞ヶ浦海軍航空隊が設置されて以来、昭和14年(1939)には予科練が神奈川県横須賀から移転し、翌年には予科練教育を専門とした土浦海軍航空隊が誕生しました。

 海軍の町として長く歴史を歩んできた阿見町は、我が国の近代史の中でも特別な時代を過ごし、日本が経験してきた戦争と平和を考える上で、予科練を主体とした貴重な資料を保存、展示するとともに、戦史の記録を風化させることなく次の世代に継承し、「命の尊さ」や「平和の大切さ」を考えていただきたいと願っております。

 当館は、戦争体験のない世代にも分かりやすいよう工夫をこらし、今後も様々な活動を展開して参ります。

 これまで同様に、当記念館へのご支援、ならびにご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

平成27年1月吉日  予科練平和記念館長 加 藤  力 男

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第46回「予科練戦没者慰霊祭」開催

5月 31st, 2013

 平成25年、爽やかな5月の風に誘われ26日(日)、(財)海原会主催の第46回「予科練戦没者慰霊祭」が陸上自衛隊武器学校「雄翔園」に於いて厳粛かつ盛大に挙行されました。式に先立ち慰霊飛行が会場上空で幾度となく行われ、参列者の帽振れで開幕となりました。

 当日は主催者の(財)海原会をはじめとして、元予科練習生とご遺族、自衛隊の関係者、ならびに阿見町民代表として町長が参列しました。式典は国旗掲揚(国歌吹奏)に始まり、献火、追悼の言葉、献花と進み、音楽隊の演奏が行われ閉式となりました。

 元予科練生たちは80歳を越えられた方々ばかりでしたが、ご高齢とは思えぬしっかりとした立ち振る舞いに、私は只々感心するばかりでした。どのお顔もかつて大空に憧れた少年たちの面差しに戻っておられました。元予科練生の皆さんは来年の再会を誓い合い会場を後にしたようです。

 戦後生まれの一人として、当時の少年たちが国のため、親兄弟や愛する人たちのために、と純粋な気持ちで命を捧げたことを私たちは忘れてはならないと思います。そして戦争のない「平和な世界」と「命の重さ」を改めて考えて参ります。

 この度の慰霊祭開催にご尽力された(財)海原会及び陸上自衛隊土浦駐屯地の皆様に対して心より感謝申し上げます。 

 平成25年5月28日    館長 加藤力男

新年のご挨拶

1月 4th, 2013

 新年、明けましておめでとうございます。

 

 旧年中は、予科練平和記念館にご来館いただき、誠にありがとうございました。

 当館では、新たな年を迎え、なお一層充実した内容をご提供し、皆様のお越しをお待ちしております。

 “今を生きる人たち”に阿見町の歴史遺産である予科練の歩みを正しく伝承し、次世代への橋渡しをすることが予科練平和記念館の大きな役割と考えております。

 これからも魅力ある館運営に努めて参ります。

 今後とも、一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 

平成25年1月吉日

予科練平和記念館 館長 加藤力男

ご挨拶

4月 26th, 2012

 今年も桜は見事に咲きました。

 例年と比べ、全国的に遅い開花となりましたが、春の穏やかな日差しの中で桜は忘れることなく咲き誇っています。

 

 この度、予科練平和記念館に着任いたしました。私も「七つボタン」「桜に錨」に代表される予科練ゆかりの地、この阿見町で朝な夕な陸上自衛隊武器学校のラッパ音と共に寝起きして参りました。以来、65年が経ようとしております。

 歴史的遺産の継承、そして命の尊さ、平和の大切さを語り継ぐため平成22年度2月に開館しました予科練平和記念館も早3年目を迎えております。この間、全国各地から多くの方々にご来館をいただき、まことにありがとうございます。ここに深く感謝申し上げます。

 戦後に生を受けた私ですが、この地を強く愛する一人でもあります。

 思い起こせば70年前、少年たちは大空への憧れを抱きながらこの阿見に集いました。筑波山や霞ヶ浦を日々目にしながら訓練に励み、当地を巣立った後は各地で活躍するも、国難に殉じた方も多くおられました。

 その戦争は遠い昔のこととなりました。

 ご来館いただく方々の多くは昔を思い涙されます。本当に、私たちは二度と戦争をしてはならないと思います。そして、平和な時代が永遠に続くためにも、次代を担う子供たちに命の尊さ、平和の大切さを予科練平和記念館で考えてもらいたいと願います。

 

 北に紫峰筑波を望み、豊かな大地と霞ヶ浦の自然に恵まれた阿見町は、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 ゴ-ルデンウィークには、公園内のツツジも見頃となるでしょう。

 予科練平和記念館へどうぞお越し下さい。

館長日記   ー退任にあたりー

3月 31st, 2012

 例年になく肌寒い日が続き、桜の開花も遅れておりますが

野原では雲雀のさえずりが聞こえてきました。

花香る暖かい日々はもうすぐですね。

 平成22年2月2日の開館以来、2年と2ヶ月の歳月が過ぎました。

この間、全国から多くの方々にご来館を頂き、

この3月で14万人にもなりました。誠にありがとうございました。

厚く御礼申し上げます。

 阿見町の歴史遺産の継承と命の尊さ、平和の大切さを

語り継いでまいりました。

 たくさんの人が心を打たれ

二度と戦争はしたくない、してはいけない。

平和なときが続いて欲しい願いが強く感じられました。

 これからも戦後に生まれた一人として、

70年前、ただただ愛国心一筋に

死地に身を投じて行った人たちのその心が

後世に語り継がれていけたら幸せです。

 ご協力、ご支援誠にありがとうございました。

 今後も予科練平和記念館をよろしくお願い致します。

 ちょうど、4月14、15日頃が桜の見ごろと思われます。

      ご来館をお待ちしております。

館長日記   ー少年たちの思い(2)ー

3月 7th, 2012

3月(弥生)に入りましたがまだまだ寒い日が続いております。しかし、陽だまりでは咲き始めた紅梅を見ることが出来ます。
寒い時期の中、濃いピンクの花がとてもきれいでほんのりと暖かさを感じます。
ーそんな中ー 3月2日夜半の降雪により、筑波山が薄化粧されました。久しぶりに見る雪化粧の筑波山。
朝日に輝く姿はいつもより勇壮でとても美しかったです。

さて、前回に続きまして予科練平和記念館に来られました、某小学校の6年生の当記念館での学習感想文を紹介いたします。
ーNくんー  ぼくは予科練生の暮らしにびっくりしました。なぜならハンモックで寝たり、
今の高校生から大学一から二年生のレベルの勉強をしたり、班行動で一人が出来ないと班の全員が
バッターでお尻をたたかれたりしてとても厳しかったからです。僕だったら耐えられずに弱音を吐いてしまうと思います。
そして、戦争が激しくなって予科練の卒業生が特攻に加わり、2800人というたくさんの人が亡くなったという話を聞いて、
信じられませんでした。このような人たちの犠牲のうえに今の平和があると思いました。

ーSさんー  私は戦争の話を聞いた時、自分はなんて平和な時代を生きているんだと思いました。
そして、戦争で亡くなった人の遺書、遺品を見たとき、本当の戦争の恐ろしさを知りました。
戦争に行った人たちに実際に会えるわけではないけれど、これから生まれてくる子供たちに戦争の恐ろしさを
言え伝えて行きたいです。これからは命を大切にしていきたいです。

ーIさんー  私が一番印象に残ったのは予科練生やさまざまな学生が「特攻」という爆弾をつけた飛行機や
魚雷に乗って体当たりする、自分の命と引き換えにした攻撃の映像です。
私はまだ20代前後の予科練生が2800人も亡くならないといけないのだろうと、とても衝撃的で悲しくなりました。
私は予科練平和記念館に行って改めて幸せということがわかりました。私たちは昔の学生たちが戦ってくれた
おかげで私たちが生きているんだと思います。
今はとても感謝しています。また家族と行きたいと思います。

生徒の皆さんは戦争は絶対にしてはいけない、命、平和の大切さを実感され、予科練生の思いが伝わったことと思います。
生まれてきたことに感謝し、夢を追う喜び、そして今いる自分に感謝し、これからの人生を謳歌して欲しいと思います。

これからの記念館周辺は予科練生も好きであった「桜」の見ごろとなります。
是非、ご来館のうえ風情を味わっていただきたいと思います。  お待ちしております。