「姉妹の来館」

9月 29th, 2010

昨日昨夜と、大雨に見舞われた茨城県南部でしたが、
今日は、その余韻を残すような冷たい雨が続き、肌寒い1日でした。

しかし、記念館の中は、たくさんのお客様で大賑いとなりました。

そんな中、ひっそりと来館された二人の姉妹がいらっしゃいました。
このお二人は、寒さ厳しい2月の開館間もない時期に、
父親と記念館駐車場まで来られたそうです。

その日は、とても寒い日で、
「もっと暖かくなってから来よう」といって、
父親は、入館されずに帰ったそうです。
しかし、その父親は、記念館を見ることなく亡くなられたそうです。

一度見たかったろう父の想いを胸に、
父の誕生日にあたる9月28日の今日、
父母の遺影(写真)を胸に擁(いだ)き来館されました。

この経緯を、お二人が涙を流しながら、語って下さいました。
父母を慕うやさしい姉妹に、同時に私も胸が熱くなる思いがしました。

私たちも、父母はもちろんのこと、
家族を思い、先人達の思いを真摯に受け止め、
感謝できる心が大切であると、
改めて考えさせられるひと時でした。

平成22年9月28日(火)

館 長 糸賀 富士夫

「小学校の運動会」

9月 21st, 2010

ようやく、朝夕の風が秋を感じさせる季節になってきました。

私事ですが、先日の9月18日(土)に、
地域の人々を交えた小学校の運動会に参加してきました。

この日の天気は快晴。清々しい1日を過してきました。

久しく遠ざかっていた小学校の運動会。
わが子が通っていた見慣れたはずの小学校なのに、
少し様相が変わっているのを感じました。
それは、児童の数です。

当時は、全校児童300人位だったと記憶していますが、
現在では、120人にまで減少していると伺い、
「少子化がこれほど進んでいるのか」と、改めて驚きました。

しかし、今も昔も子どもたちの姿は、変わりません。

青空の下で駆け回る児童たちを見ていると、
この子ども達が、平和な明るい社会で成長し、
そして変わることなく今の平和な社会が継続され、
明るい未来であって欲しいと願わずにはいられません。

やはり、
「安心して子どもを育てることのできる、安心して暮すことができる。」
そんな平穏な社会がいいですね。

今の館長という仕事を始めて、平和とはどうあるべきか、
自分はどうすべきなのか、何をすることができるのか?
日々考えさせられる課題だと感じています。

平成22年9月21日
館長 糸賀富士夫

「土門拳を訪ねて」

9月 8th, 2010

9月4日(土) 今日も暑い一日でした。

当館の常設展示で紹介しております土門拳の写真は、
彼が昭和19年6月に土浦海軍航空隊で予科練生と寝食を共にし、
撮影したものです。

そこで土門拳とは・・・・・・。
休日を利用し、山形県酒田市にあります土門拳記念館を
訪ねてみました。

この記念館は、酒田市街から南へ3km。飯森山公園の森林に囲まれ、
自然の風景と調和した中にひっそりと建っています。
建物の周りには池が配され、内部からその池を眺める空間に身をおくと、
心が自然と鎮まる、そんな雰囲気を感じさせられました。

展示されているものは、
「写真の鬼」といわれた土門が撮影した写真だけに、
どれも迫力満点のものばかりでした。
ものすごい集中力の中でシャッターを切った様子が、良く伺えました。

残念なことに、予科練生を被写体とした写真はありませんでした。
土門拳は、どのような思いで予科練生を撮影していたのでしょうか?
彼の胸中は、量りきれない深い意味があるように感じられました。
いつかその事が、解き明かされる時が来ると信じたいものです。

皆さんも機会があれば、訪ねてみてはいかがでしょうか?
池の周りには、アジサイが所狭しと植えられ、シーズンの6~7月には、
色とりどりの花を楽しむことができるそうです。
一度は行ってみる価値のある資料館だと感じました。

館 長  糸 賀 富 士 夫

 

土門拳記念館

「元予科練生の体験を聞く」

8月 24th, 2010

2010.8.22
猛暑の続く中、8月22日(日)に第二回目の
「元予科練生の体験を聞く会」を開催しました。

体験を語って頂いたのは、稲敷市在住の仲川武男さん(81歳)です。
仲川さんは、乙種第20期、当時14歳で予科練に入隊しました。

当日の会場は、老若男女を問わず大勢の人のご参加を頂き、
大盛況でした。ありがとうございました。感謝申し上げます。

戦後65年を迎えますが、「忘れてはいけないもの」
「語り継がなくてはいけないもの」
を、大切にしたいと思う人の多さに、改めて感銘を受けました。

話を聞かれた人から、
「予科練で鍛えられた人は、今でもすごく元気ですね」
と言われました。本当に頭の下がる思いです。

私たちも、先人の思いを感じ、いつまでも平和な日本でありますよう、
努力していきたいものです。

これからも、このような企画をより充実し、後世に語り継いで行きたいと
考えています。

館長 糸賀 富士夫

「65回目の終戦記念日」

8月 16th, 2010

平成22年8月15日、65回目の終戦記念日を迎えました。

とても熱い一日となりましたが、
当館始まって来の1,400人余りの方が入館されました。
この日は、終戦記念日ということで、無料開放いたしましたが、
これ程の方が興味を持たれ来館された事は、意義深いこと感じています。
これからも、当館の主旨にご賛同、ご協力を頂き、
「命の尊さ、平和の大切さ」を後世に伝えることを、責務と感じています。

たくさんの方のご来館を心よりお待ちしております。

館 長 糸賀 富士夫