朗読劇

7月 4th, 2010

みなさんこんにちは(^^♪

予科練平和記念館の裏のハス田から、優雅な形の大きな葉っぱが

たくさん出て、風にわさわさそよいでいます。

そろそろハスの花も咲く時期になります。

とってもきれいなので、咲き出したらこちらのブログでご紹介しますね。


今日は、お隣の美浦村で「美浦平和のつどい」がありました。

美浦中央公民館の大ホールでは、『女優たちによる朗読「夏の雲は忘れない

ヒロシマ・ナガサキ 1945年」 』の公演があり、

予科練平和記念館も主催者の方のご厚意により、ロビーで

パネル展示をさせていただくことになりました。



館の紹介パネルと、予科練生が家族に宛てた手紙のダイジェストを

読めるようにしたものを展示させていただいたところ、手にとってくださる

方がけっこういらっしゃり、案内をお渡しすると「記念館行きました」と

声をかけてくださる方もいらっしゃいました。

ご覧下さった皆さん、どうもありがとうございました。

ちょうどプライベートで舞台を見に来ていた当館の展示解説員さんが

一緒に案内を配ってくれたので、たくさんの方に

予科練平和記念館をご紹介できたかなと思います。

Mさんどうもありがとう!



会場は開演前から長蛇の列です。

会場も満席。補助席も出ていました。


さてこの「夏の雲は忘れない」は、女優さん6人が、あの原子爆弾が落とされた夏の日、

きのこ雲の下でこの世の地獄を見た人たちの様々な手記を朗読していく舞台です。

その声は子どもになったりお母さんになったり先生になったり・・・

声にならなかった声になったり。

一瞬にして大切な家族や自分の命を失ってしまった

多くの人たちの声のアルバムを開いているような感じを受けました。

悲しい場面もたくさんありますが、それ以上に、人が生きるということについて

考えさせられます。


私が一番印象に残ったのは、原爆が投下されたその日の夜のヒロシマのお話です。


ろうそくの明かり一つない地下室にうごめく被爆者たち。

血のにおい、うめき声、「水をくれ」という叫び。

そんな地獄のような中で、若い母親が産気づきます。

真っ暗闇でお産を助ける道具もない中、

「私は産婆です。私がこの子を取り上げます」と言ったのは、

血まみれになってさっきまでうめいていた女性でした。

しらじらと夜が明けるころ赤ちゃんは産声をあげ、

産婆は静かに息を引きとります。

極限状態に生じたハレーションのような強烈な生と死の対比が、

声だけで表現されるのが本当にすごいと思いました。

多分このお話は、私が死ぬときまで覚えているのではないかと思います。


女優さんたちの語りかける声が、すっと胸の中に染みていくような舞台でした。

今の平和な生活の中で、私たちが決してないがしろにしてはいけないことに

もう一度目を向けさせてくれます。

これからもたくさんの場所で上演されるようですので、

ぜひ皆さんも一度ご覧になってみてください。


終焉後、大橋芳枝さん、大原ますみさん、長内美那子さん、山口果林さんの

4名が、お忙しい中時間をさいて当館に来てくださいました。

自分がさっき見た舞台に出演していた方とこんな近くでお会いできるなんて!と、

とても感激です。

やっぱり女優さんはすごいですね。目がとってもきれいで強いんです。

短い時間ではありましたが、皆さん時には涙しながら展示をご覧くださいました。

なんと、大橋芳枝さんのお兄さんは元予科練生なのだそうです。

こうしていらっしゃったのも、何かのご縁かもしれません。


女優の皆さん、関係者の皆さん、本日は本当にありがとうございました。

毎日暑いですがお体ご自愛くださり、多くの方に素晴らしい舞台を届けてください。

予科練平和記念館から応援しています。