被災地からの資料

9月 8th, 2011

みなさんこんにちは。

学芸員Wです。

今日は二十四節気の一つ「白露(はくろ)」。

まだまだ日中は暑い日が続いていますが、朝晩のひんやりとした空気で、

季節が確実に移っているのを感じます。

みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

 

 

予科練平和記念館のもみじが秋色にお召し替えをはじめました。

高い空には秋の雲が浮んでいます。

 

 

 

最近女子、男子ともにサッカー日本代表がとても頑張っていますね。

 

私も、男子代表のキャプテン、長谷部誠選手の著書『心を整える』を読んで、

いろんなことを整えていきたい、と思っています。

・・・と申しましたのは、昨日今日とケーブルテレビさんの取材があり、

カメラの前でしゃべる機会を持たせていただいたからです。

 

とっても優しく「失敗しても大丈夫ですよ!」と励ましてくださる撮影隊の方の

前でもこんなに緊張するのに、

何万人というサポーターや観客の前で、しかもテレビの先ではどれだけの人が見ているか

わからないという状況の中で、

さらにアウェーだったらブーイングなども聞こえてしまう中で、

落ち着いてプレーできる選手のみなさんは本当にすごいと思います。

 

 

今回、ケーブルテレビのみなさんは、特別展「土門拳のまなざし」展を

取材してくださいました。

 

 

 

放送日は以下のとおりです。

 

□9/17(土)~9/20(火)

 てれびつくば11 「ACCSニュース」(1日4~5回放送)

 http://www.accs.or.jp/accstv/tsukuba_11.html

 

□9/26(月)~10/2(日)

 J:COM 「いいじゃん!」 (1日2~3回放送)

 http://www.jcom.co.jp/index.html

 

お目にとまりましたら幸いです。

 

 

余談ですが、長谷部選手の著書『心を整える』の印税収入は

ユニセフを通じて全額東日本大震災の被災地に寄附されるそうです。

自身を整えつつ誰かにいいこともできるすばらしい本ですので、

お気になった方、ぜひ本屋さんでお手にとってみてくださいね。

 

 

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間もなく、東日本大震災発生から半年が過ぎようとしていますね。

長いようで短い、短いようで長い半年だったように思います。

 

先日、横浜の山下公園に行きましたが、

ここは1923(大正12)年の関東大震災のときに出た

瓦礫を埋め立ててつくられたと知り、驚きました。

家族連れやカップルが楽しそうに行き交う足元に

大震災の記憶が眠っているなんて、思いもしませんでした。

 

私たちの日常は、常に災害と隣り合わせにあるのだということを

足元から実感したような気持ちでした。

だからこそ、今日一日、今この時が大切なのだと、改めて思いました。

 

みなさんにとって、この半年はどんな時間の積み重ねでしたでしょうか。

 

 

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先日、予科練平和記念館に被災地福島に住む元予科練生から資料が寄贈されました。

送ってくださったのは、元甲種第14期予科練生Sさんで、

1944(昭和19)年6月1日に土浦海軍航空隊(現陸上自衛隊土浦駐屯地 阿見町)に

入隊した時に肩にかけていた日の丸や、防毒マスクのケースなど計10点です。

 

Sさんはもともと福島県の浪江町にお住まいでした。

みなさんもよくご存知のように、浪江町は東京電力福島第一原子力発電所の事故により

警戒区域や避難区域に指定されています。

現在、Sさんも福島県内の別の場所に避難していらっしゃいます。

 

家を離れてからもずっとこの資料を気にかけておられたとのことで、

一時帰宅が許可されたときに、親類に頼んで持ち帰ってもらったのだそうです。

 

 

全身防護服の住民の皆さんがバスで立ち入り禁止区域に入られる姿を

ニュース映像としてよく見ていましたが、

実際にそういう方たちがお持ちになったものが、こうして予科練平和記念館に

届けられたということに、深く考えさせられました。

 

 

一時帰宅では、滞在時間も持ち出せるものの量も限られてしまう中で、

どんな思いでこの資料は運び出されたのでしょうか。

住み慣れた土地を離れて暮らすSさんは、どのような気持ちでこの資料を

予科練平和記念館に託されたのでしょうか。

 

今の私では想像することしかできませんが、ほかの資料たちと同じように

末永く、大切に保管させていただきたいと思っております。

 

 

 

(手前が寄せ書きされている日の丸。奥の箱は防毒マスクを入れるものです。)