よいお年をお迎えください

12月 27th, 2013

 冬至を過ぎ、半年先の夏至に向けてまた日一日と昼間が長くなっているはずです。

 はずですが、日の出が遅く、起床してもまだ暗い朝は、新春を迎えるとは言いながら、まるでこれからやってくる厳しい寒さを思わせられるようです。

 しかし、地にじっと伏せているような草木も虫たちも、太陽から、来たる春のメッセージをしっかりと受け取っていることでしょう。そう思うと、日が短くなるばかりだった冬至という峠を過ぎためでたさが感じられます。

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 予科練平和記念館も大過なく正月を迎え、また1月4日から新年のお客様をお迎えできそうです。

 何気ない、平凡で、しかし平和なこうした日常こそ、厳しい時代を生きた元予科練生が望んだものと言えるでしょう。

 無事に年を越せることに心から感謝しつつ、家族や友人など、身に近い和を常に保ちたいものです。

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 今年1年の間に皆様からお寄せいただいたご厚意に心よりの感謝を申し上げます。

 また来年もこれまで以上に予科練平和記念館をお引き立て下さいますよう、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

家族を想う

12月 15th, 2013

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

12月も半分を切りました。早いもので、今年もあと2週間足らずで終わってしまいますね。

寒さもいよいよ本格的となり、毎朝布団から出るのに精神力を消耗しています。

 

そんな年末は様々な行事がありますね。もう忘年会は済まされましたか?

大晦日はもうすぐです。年賀状の発送に、お正月の準備・・・、おっと大掃除を忘れていました。

さすが師走。年末はみんな大忙しですね。

そんな忙しい年末に、大人に子どもに、みんなに大人気のイベントがあります。

そう、クリスマスです。

日本語のクリスマスの語源は、「Christ(キリスト)のmass(ミサ)」に由来するそうです。

キリスト教において、クリスマスは「降誕を記念する祭日」と位置付けられています。

この時期になると、街中やお家の庭先に様々なイルミネーションも飾られてとてもきれいですね。

子どもたちは、サンタさんからのプレゼントの内容を期待して、今から落ち着かない気持ちになっていることでしょう。

このサンタクロースですが、他の国ではプレゼントを配るのは別の存在だったりします。

たとえば、イタリアでは魔女の「ベファーナ」、ドイツでは「降誕祭の男」や「キリストの子」等と呼ばれているそうです。

北欧では、妖精がプレゼントを持ってきてくれるそうですよ。

サンタクロースがプレゼントを持ってきてくれるのはイギリス式だそうで、アメリカも一緒です。

日本もこの考え方が一般化しているみたいですね。

 

さて、そんなせわしなく日々が過ぎていく年の瀬、予科練平和記念館はこんなことをしています。

まずはご報告です。去る11月23日(土)によみきかせ「おはなしおさんぽの会」を開催しました。

読み聞かせ30分、昔の遊び30分の一時間。午前と午後の2回実施です。

前半部分は読み聞かせです、当日は同じ町内にある霞ヶ浦高校の演劇部の生徒さんたちにおすすめ絵本をよんでもらいました。

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絵本の読み聞かせが終わったら、こんどは昔のおもちゃをつかってみんなであそびました。

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竹とんぼや紙ふうせん、けん玉やお手玉、折り紙などを用意しました。

当日はお天気も良く、たくさんの方に参加していただけて、我々職員もみなさんと一緒になって楽しく時間を過ごさせていただきました。

 

続いて、今後のイベントのご案内です。

12月17日(火)~平成26年3月2日の期間で、企画展「~海軍将校を目指す教科書~海軍兵学校と予科練」を開催いたします。

当館に寄贈いただいた資料の中から、広島県江田島にあった海軍の士官学校である海軍兵学校の教科書を中心に、

勉強の内容や予科練への影響、関わりなどを開設する展示をおこないます。

当館では、期間を区切って、様々な内容の企画展示をおこなっています。

通常の展示だけでは伝えきれない内容や、別の視点から予科練へと目を向ける内容となっておりますので、是非ご覧ください。

 

年末から年始にある様々なイベントは、他の時期のものと違って、「家族」というものに焦点をあてたものが多いように感じます。

普段は離れて暮らしている方も、年末は実家に帰って、大掃除を手伝って・・・

お正月はみんなで初詣、帰ったらおせちを食べて、初売りも行かなくちゃ・・・なんて。

先ほど書きましたクリスマスも、キリスト教圏では、主に家族と過ごし、クリスマスツリーの下にプレゼントを置く、

プレゼントを贈る気持ちである「愛」の日でもあるそうです。

家族を想う気持ちは、場所が違っても、宗教が違っても変わりません。

 

きっと68年前も、変わらず家族を想っていたでしょう。

 

忙しい年の瀬ですが、身を切る寒さになりつつあります。皆様お体ご自愛ください。

師走は、やはり忙しいか?

12月 6th, 2013

おはようございます。こんにちは。もしくは、こんばんは。

12月です。

いろいろと慌ただしい年の瀬ですが、いかがお過ごしでしょうか。

「師走」なんて名前ですと、なんだか暦にも急かされている気さえしてきます。

普段の会話でも「12月になると師が走り回るほど忙しいとは、よく言ったもんだ」と言うような毎年恒例のセリフが、ちらほら聞こえてきました。

 

ですが、どうも「師走」の語源は不明なようです。

もちろん有力な説として、師(坊主)が仕事先(檀家)を走りまわるほど忙しい月

「師馳す月(しはすつき)」

から生まれたとの話はあるのですが、間違いなくこれ。と断定はできないそうで。

他の説としては、一年が終わると言う意味の「年果つる月(としはつるつき)」が短くなって「しはす」になった説。

やる事がすべて終わったと言う意味の「為果つ月(しはつつき)」が短くなって「しはす」になった説。

元々数字の十二を「しはす」と呼んでいて、漢字は後世で当てた説。などなど。

 

他にも説があるので、お暇なら調べてみるのも……いや師も走るほど忙しいので難しいですね。

とにもかくにも、語源の中で「師が走る」説が一番有名なのは、実際それぐらい忙しい。という説得力と実感からそうなっているのかなと思われます。

 

 

 

去る平成25年11月10日(日)に第2回 予科練平和記念館「学習会 ~史跡探訪~」が行われました。

まず日程変更や連絡の不備など関係者にはご迷惑をおかけしました事を、お詫び申し上げます。

さて、今回の史跡探訪では「谷田部海軍航空隊」を中心に、つくば市周辺の予科練関連の史跡をバスで巡りました。

当日は雨が今にも降りそうな天気でしたが、幸いにも終了まで雨は降らず予定どおり終えることが出来ました。

参加者皆様のご協力、ありがとうございます。

以下は訪れた史跡、施設の一覧と見た順番となります。

  ①つくば市国土地理院「地図と測量の科学館」→

 ②つくば市小白硲(こじらはざま)「鹿島神社」→

 ③つくば市筑波学園病院内「記念碑」と「谷田部海軍航空隊神社」→

 ④土浦市烏山「土浦海軍航空隊神社」

 

行先について簡単に解説いたしますと、①の国土地理院「地図と測量の科学館」は国の施設で地図についての博物館です。

入館料は無料で、事前に団体で申し込みをすればガイドもつきます。

今回直接の戦跡ではない、この施設を行程に入れたのは、谷田部海軍航空隊の情報を集めるにあたり「史跡」があまり残っていないので、新旧の地図を資料として使ったということが一つ理由にあります。

阿見町にありました「霞ヶ浦海軍航空隊」もそうですが、現在当時のまま建っている建物、史跡がほぼありません。

では、どうやって分かりやすく「谷田部海軍航空隊」があった事を伝えられるかと考えてみて地図に思い当たりました。

当日の資料では国土地理院からCDデータで購入した昭和22年当時の航空写真を加工して、現在の航空写真を並べて載せました。すると、道路の区割りなどに当時の面影が残っているのが確認できます。

そんな訳で、参加者の皆さんにも、史跡を調査する際にはそういった編集の方法や、地図の入手方法について知っていただきたく選定した訳です。そんな理由を抜きにしても、映像やガイド付きの観覧は面白いので、皆様も足をお運びいただければと存じます。

 国土地理院「地図と測量の科学館」 住所:茨城県つくば市北郷1番 

 Tel: 029-864-1872 / Fax: 029-864-3729

 国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp

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次の②「鹿島神社」には、予科練教育の部隊である土浦海軍航空隊内にあった「土浦海軍航空隊神社」の鳥居、灯篭が移転されております。

移設の経緯は詳しく分かっておりませんが、予科練平和記念館調査委員の聞き取り調査や文献調査によると、当時の葛城村村長が中心となって、戦後に国の払い下げを受けて運んできたとのことです。

この場所では、実際調査にあたった戸張歴史調査委員から説明がされました。

 「鹿島神社」 住所:茨城県つくば市小白硲516 

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③の筑波学園病院では、当初は谷田部海軍航空隊の兵舎を利用して建てられ、平成10年頃まで病棟として利用されておりました。

現在、その建物は残っておりませんが本年5月に建立された「記念碑」と、近くに建っている「谷田部海軍航空隊神社」が航空隊のあった事を示しています。

当日は神社の横で戦後のことをよく知る戸館さんという方のお話しを聞くことができました。

もしも、こちらに訪れることがありましたら、「記念碑」が建っているのは病院敷地内ですので、他の方のご迷惑にならぬようお気を付けください。

 一般財団法人筑波麓仁会「筑波学園病院」 住所:茨城県つくば市上横場2573-1

 「谷田部海軍航空隊神社」 上記の筑波学園病院南側 農場研修センター隣

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④「土浦海軍航空隊神社」は、②と同様に「土浦海軍航空隊神社」の移転先です。

現在は横田さんと言う方が個人で社を守っておられます。移転の経緯ですが、当時霞ヶ浦海軍航空隊の士官集会所の書記をされていた横田さんの祖父が、終戦後当時の司令官に許可を得て移転してきたそうです。

残念ながら御神体は失われており、現在あるのは社だけとなっております。

 「土浦海軍航空隊神社」 住所:茨城県土浦市烏山3丁目

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最後は、予科練平和記念館、12月のイベントのご案内です。

21日(土)17:00から予科練平和記念館情報ラウンジで音楽鑑賞会が行われます。演奏者は霞ヶ浦高校の吹奏楽部の方達です。

翌22日(日)14:00から予科練平和記念館情報ラウンジで当館調査委員 井元潔さんによる講演会「土浦海軍航空隊を巣立った海軍予備学生」が行われます。

翌23日(月)14:00から予科練平和記念館情報ラウンジで元予科練11期生 坂口定雄さんによる講演会が行われます。実際に戦場を爆撃機で飛ばれた方で、当時のお話しを語っていただきます。

3日連続のイベントで、正に師走らしく忙しく充実した月となっております。職員一同、気をひきしめていきますので、どうぞよろしくお願いします。